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種苗法について(2)「種苗法における登録品種は優良品種だ」と言う嘘@ブルーベリー栽培

最近は日本でもブルーベリーに限らず以前よりは割りと頻繁に種苗法における所謂、品種登録される品種も増えてきているようです。

このあたりについて正確に分かっている方も多いと思いますが勘違いされている方、曖昧に登録品種だから良い品種なんだろうと思っている方もいるようなのでちょっと明確にしておこうと思います。



タイトルにも挙げましたが登録品種というのはは必ずしも優良な品種ではありません。
嘘というのも言い過ぎかも知れないですが少なくとも登録品種≠優良品種ということでイコールではありません。
勿論良い品種もあるとは思いますが種苗法における品種登録というのはその品種が優良であるとか既存の品種と比べて何らかの価値を有しているだとかいうような価値判断はしていないということです。

この点が知的財産権保護での特許と決定的に違っている点です。
特許では進歩性というのが求められるのですが種苗法の登録ではこの要件は求められてません。

つまりは他の既存の品種と違っていてそれがちゃんと区別出来、その性質が安定していれば登録されることになります。
(他にも均一性というような要件もあるのですがブルーベリーでは栄養繁殖させれば大体同じ品種が増やせるので↑この二つを主に考えれば良いと思います)



例えば日本でブルーベリーで最初に品種登録されたおおつぶ星についてです。
赤字の結論だけが重要なんでその他はザッと読み飛ばして良いですよ。

登録品種の植物体の特性の概要
 この品種は「コリンズ」及び「コビル」の自然交雑実生から育成されたものであり,果実が扁円で大粒,果皮の色が青,育成地(群馬県沼田市)において7月中下旬に成熟する中生種である。  樹姿,樹の大きさ及び樹勢は中である。吸枝の発生,新梢の長さ及び太さは中,休眠枝の色は赤褐,分枝性は密,節間長は長である。葉形はだ円,葉の先端部の形及び基部の形は中,色は緑,大きさは大,葉身の波曲及び鋸歯の有無は無である。花冠の大きさはやや小,形は鐘形,開口部の大きさはやや大,花冠の色は淡黄白,稜線の有無は有,花柱の長さはやや短,着花数は中,果房の長さは長,粗密は中である。果形は扁円,果実の大きさは大,果皮の色は青,果粉の多少はやや多,萼の開閉は直立,萼あの大きさ及び深さは中,形は星形,果柄痕の大きさはやや小,乾湿は中,肉質は硬,果肉の色は淡緑である。甘味は中,酸味はやや多,香気は無,種子の多少は多である。発芽期,開花期及び成熟期は中,収穫期間はやや長,落葉期は中,紅葉性は鮮紅,脱粒性は中,裂果性は少,日持ち性,挿し木発根性の難易及び耐干性は中,耐寒性はやや弱,病害抵抗性及び虫害抵抗性は中である。  「コリンズ」と比較して,萼の開閉が直立であること,果肉の色が淡緑であること等で,「コビル」と比較して,萼あの形が星形であること,果肉の色が淡緑であること等で区別性が認められる。

登録品種の育成経過の概要
 この品種は,昭和56年に群馬県農業総合試験場北部分場(現中山間支場,沼田市)において「コリンズ」及び「コビル」の自然交雑実生をは種,翌年から選抜を繰り返しながら特性の調査を継続し,平成3年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。

特に優良な部分とかどこかが勝っているとかは書かれていませんね。



このあたりについて詳しく知りたい方は↓こちらを参考にされると良いと思います。
特許法と種苗法の比較←20ページのpdfです。
特許法と比較しながら種苗法について詳しく解説されているので興味がある方はお読みください。
(区別性、安定性、均一性などについてに定義されていたり拒絶理由などについても解説があります)
なお進歩性の有無等については2ページ目左側中段に書かれているので私としてははその部分だけは読んで確認しておかれると良いと思います。



というような訳でブルーベリーに限りませんが
登録品種だからと言って無闇に有難がるのはやめましょう。
尤も登録するのには手間もお金も掛かるので全く価値がないと思って品種を登録する人はおそらくいないとも思いますけれど・・・。
登録した人が良いと思ってもそれが良いかどうかはまた別の話です。



あなたが作ったその実生苗も手間とお金はかかりますがおそらく品種登録することは出来ると思います。




なお、米国のパテント品種については分かりません・・・・・orz。


種苗法The Plant Variety Protection and Seeds Act←pdfです。







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by BlueBerryNote | 2009-06-04 20:29 | 勉強 | Comments(4)

種苗法について(1)@ブルーベリー栽培

久々のお勉強の記事です。

BlueBerryNoteとしては種苗法については未だ記事にしたことがなかったので確認の意味も込めまして、種苗法の二つのポイントについて二日に分けてお話します。


登録品種の増殖、交換等について



登録品種の扱いについてですが営利を目的とする増殖等についてはかなり厳格な制限があるようですが趣味での場合はそれほど厳格ではないようです。



私の場合は↓こちらの二つのHPの情報などに基づいて挿し木などはしています。

BBRさんブルーベリー栽培の関係法規


自給園さん、穂木交換を 育成者権に留意して


このあたりについては私自身が調べたものではないので皆さんそれぞれの自己判断でおねがいします。




明日は種苗法の品種を登録する際の要件(必要条件)についてです。





今日の件については常々コメントいただいている皆さんは殆どご存知のようですからコメント欄は閉じておきます。


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by BlueBerryNote | 2009-06-03 20:56 | 勉強

ブルーベリーのホルモン処理と植物生理学

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リベールの花

前回紹介したリベールはピンクが薄くて見応えありませんでしたか最近の花はピンクが濃くなって大分見栄えするようになりました。
リベールは花が先行するようで桜で言えばソメイヨシノのような乳母桜。
因みに「うばざくら」(姥桜、乳母桜)は、開花時に葉がないことから歯がないを暗喩した桜の通称です。
ピンクの蕾だけが木にぶら下がっている状態でも楽しめるように思います。
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ブルーベリーのホルモン処理と植物生理学


ホルモン処理
ブルーベリーにジベレリンを散布すると結果率向上と果実肥大が期待できると紹介しましたが植物ホルモンのサイトカイニンを散布することによっても果実肥大が期待できるとの報告があります。

合成サイトカイニン剤の果樹に対する利用法の開発
「ブルーベリーに対し、10ppm液を落弁期に散布すると、果実肥大効果が認められるとともに、無処理に比べ収穫期が遅くなり、収穫労力の分散を図ることができると判断された。」

また、aoさんからジベレリンとサイトカイニンの併用でさらなる果実肥大が期待出来そうだとコメントをいただきました。
現在、葡萄などで行われている手法のようです。参照↓
ぶどう栽培指針←7、結実管理
ホルモン剤についても興味深いですが、こちらのページは葡萄を栽培する方は参考になりそうです。




植物生理学
今日は雨の所が多いようで、外での作業が出来ず部屋で手持ち無沙汰にしている方もあるかとおもいます。

そんな方はアカデミックに植物生理学でも少し勉強されてはいかがでしょう?


岐阜大学の福井先生が植物生理学の講義内容をUPしているページがあります。分かりやすくコンパクトにまとまっていて読みやすいと思います。(それでもそこそこの量はありますが)
植物生理学の講義内容
全部を読むのは大変かもしれませんが、植物ホルモンのところなどはブルーベリーでも挿し木や接ぎ木などの増殖や剪定、結実にも関係するから飽きずに読めそうに思います。



私も時間があったので先日紹介したサイトカイニンとオーキシンについて分かりやすく図にしてみました。
左の図がサイトカイニン・右図がオーキシン
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サイトカイニンというのは根で合成されて頂芽などに送られ頂芽などの成長促進を促しオーキシンは頂芽や花芽などで作られて根に送られます。
また、この二つのホルモンは頂芽優勢にも関係があって、「オーキシンはサイトカイニンのシンク能を高める作用を持っているので頂芽でのサイトカイニン活性が著しく高まる」ということのようです。



多量にオーキシンを生合成できる部位は茎頂分裂組織,若い葉などらしくて挿し木の際に葉芽から発根しやすいというのも葉芽という分裂組織がオーキシンを合成する場所だからかもしれないなどと考えたりしました。








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by BlueBerryNote | 2008-03-30 18:02 | 勉強 | Comments(2)

植物学的・茎における葉芽の構造とその活用について

リベールの花
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リベールの花は蕾は強めのピンクでしたが花はピンクが大分褪めてちょっと物足りない感じです。

今朝はレガシーも一つ咲いていました。
ノーザンハイブッシュ系ではプルが一つ、
ラビットアイ系でもサウスランドとベッキーが咲いていました。

これから徐々に花が増えてくると思います。

そういえばこの時期はタンポポの花も沢山咲きますが、ミツバチとかはブルーベリーの花よりもタンポポの花を好むそうなので付近にあるタンポポは摘んだ方が良いとされているようです。我が家でもタンポポの花を摘みましたが菜の花がかなり沢山咲いているので我が家の場合はあまり意味がないさそうです(笑


今朝はタイヤがパンクしていてやむなくスペアタイヤと交換しました。慣れていないから30分くらいかかってしまいました。普段はタイヤ交換とかは人任せです。一度やると思い出すのですが前のパンクから久しく過ぎた頃とかにパンクがあったりするからやっぱり忘れてしまって用具のありかとかウロウロしながらの交換です(笑。修理に出しに行って暖かかったから今年初の冷やし中華を食べました。

前置きが長くなりました。



葉芽を切ってなかの様子を調べて上手に活用してみよう

「研究者とかが表題をつけたらこの記事のタイトルみたいになるのだろうな」とか思いましたが、まあ簡単に言えば葉芽の部分を切ってみて茎の中で葉芽がどういう風になっているのかを観察して、なにかうまい活用法がないか考えるというようなお話です。


葉芽を切ったらこうなってました

昨日、ちょっと接ぎ木を一つやろうかと思って穂木を削って接合面の裏を切っている時に気がつきました。中心部の組織が葉芽の部分には外皮に接する点まで盛り上がっています。
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ちょっと面白いと思ってきり方を変えてみました。
他の木(ブルーレイ)ですが葉芽の部分を直角に切断してみました。
やはり中心部の組織が外皮までつながっているようです。
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今度は葉芽の部分で縦割りしてみました。
改めて言うまでもなく葉芽の部分に山状に内部の組織が盛り上がっています。
更によく見ると小さな葉芽の中まで線が入っています。
クリックして大きな写真で見ていただければ分かると思うのですが葉芽の中まで形成層や茎の内部の組織などが入っているということのようです。
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普通は外皮と一定の距離を保っている内部組織や形成層などが葉芽の部分を頂点として外皮まで盛り上がっているということになるようです。


思えば葉芽からは枝が出ます。枝の中にも内部組織が出来、形成層も出来るわけだから葉芽の部分までそういった組織がつながる必要があるわけで当たり前といえば当たり前のことですね。


葉芽の部分には水分も栄養分も供給されるポイントで枝葉を作るために必要なものが全て集まると言う事が出来るように思います。





葉芽の活用について

以上のことを念頭において増殖の場合の葉芽の活用について考えてみました。

挿し木の場合
葉芽の部分については挿し木の場合でも葉芽のちょっと下を切って挿すと発根率が上がるとか言うことは定説化しているようです。
挿し木で葉芽の部分のすぐ下で切るというのは根は低い部分で出やすくてそういった場所に葉芽のような特別なポイントを設定することでより発根を促すことが出来るからではないかと思います。


接ぎ木の場合
最近では接ぎ木をするときに葉芽の部分を絡めると成功率が上がるようだというような説も出てきています。(私のHPの掲示板やTMCのTOMOさんの掲示板などでBB讃岐さんがその可能性について述べられてTOMOさんも最近は試行を考えているようです)
接ぎ木の場合でも葉芽の部分には栄養や水分が他より多く供給されていると思われるから上手に利用すれば確かに成功率があがるとも考えられます。特に台木の接合面の何処かに葉芽を持ってきたらより効果的ではないだろうかと考えました。なお、葉芽の部分は形成層などが直線ではなくなるのでそのあたりを考慮するとかピンポイントで穂木の形成層を台木の葉芽に合わせるという工夫が必要になりそうに思います。



取り木の場合
取り木はあまり行われていないようですが一応触れておきます。
取り木をする場合、発根させたい部分を傷つけるのですがこの場合も葉芽そのもの、あるいは葉芽の付近を傷つければ葉芽から発根しやすいということが考えられます。



植物生理学の時と同じようにこういった構造が分かっていると例えば接ぎ木一つをする場合でも色々な工夫も出来そうに思います。良い工夫などありましたら教えていただければと思います。




因みに植物学と銘打っていますが全て自分で考えたことで本とかを読んだ引用ではないので(何かの本には載っているかもしれませんが)学問的根拠はありません。





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by BlueBerryNote | 2008-03-26 20:08 | 勉強 | Comments(13)

植物ホルモンについて(植物生理学入門

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写真の本だと手前左のはいかにも大学の先生が授業で使いそうな本で30分も読んでいると眠くなりそうな本なんですがその上の絵とき~の本はかなり読みやすいからお勧めです。



ということで早速、面白かったことを紹介してみます。



植物ホルモンについて


植物にもホルモンがありまして
オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、エチレン、アブシジン
とか他にもあるんですけど今日はオーキシンとサイトカイニンについてです。



オーキシンもサイトカイニンも成長促進ホルモンです。

サイトカイニンというのは成長を促進したり植物を若く保たせるためのホルモンで主に茎や葉を作らせようとするホルモンです。頂芽優勢もこれによって引き起こされます。これは主に根で合成されます。

オーキシンも生長を促進させるホルモンですがこちらは主に根を作らせようとするホルモンです。癒傷組織やカルス形成の促進などもするようです。こちらは主に頂芽や花芽で合成されます。



根を作るホルモンがが頂芽で作られ、頂芽などを作るホルモンが根で作られる。
お互い対極の部分で生長ホルモンが合成されるというのが面白いと思いました。


常々地上部と根はバランスを保とうとしている言っていますがここでもうまくバランスが取れる仕組みがあるようです。


例えば両方活発に生長しているときはお互いにホルモンを出し合いますが、接ぎ木や切り戻しなどで地上部が無くなったらオーキシンの合成が著しく減りますね。だから根はあまり作られなくなります。一方根は沢山あるからサイトカイニンは沢山作られて地上部はどんどん大きくなろうとします。きり戻しをなどをしたときに根がそれ以上生長しないのはこのあたりにも理由があるようです。


こんなことを知っていると剪定や切り戻しで枝一つ切るにしても今までは闇雲に切っていたのが植物の生理について考えながら切る場合は違ってきそうに思います。
「こいつは早く根を大きくしたいから今年は剪定は控えようとか、こいつはもう根は十分大きいからきつめに剪定しても直ぐに大きくなってくれるだろうとか」そんな感じですね。




植物ホルモンは理論としてだけでなくて結構身近にあったりもします。
よく発根促進剤として使われるオキシベロンもルートンも合成オーキシンです。
(オキシベロンはインドール酪酸の製剤で、ルートンはナフタレン酢酸アミドです)
オーキシンは癒傷組織やカルス形成の促進もするからもしかしたら接ぎ木で台木の切り口とか穂木で切り口が見えているところなどに塗ったらもしかしたらカルス形成が促進されたりするかもしれないなんてことも考えました。





他にも面白いことがあったらまた紹介します。






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by BlueBerryNote | 2008-03-15 20:55 | 勉強 | Comments(2)